この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
夫婦間で離婚に向けた協議を続けている最中,クライアントは,単身赴任中に不貞行為をしていたと疑われても仕方がない状況を妻に目撃されてしまいました。クライアントは,妻と真摯に協議してきましたが,慰謝料額や財産分与で折り合いがつかず,やむなく調停を申し立てました。
解決への流れ
クライアントは,不貞行為を疑われても仕方がない状況を妻に目撃されているため,訴訟になれば,有責配偶者からの離婚請求となり,離婚が認められない可能性が高かったため,妻側の主張する条件をなるべく受け入れることにして,何とか調停で離婚をまとめる方針で調停に臨むことにしました。
妻は,住宅ローンをクライアントが完済するまで支払い続け,さらに,当該不動産の所有権を妻に移転し,妻が当該不動産に居住し続ける案だけでは納得せず,就職浪人している24歳の子供の養育費や追加の財産分与を求めてきました。夫婦共有財産の2分の1以上の提案をしているにもかかわらず,クライアントが不貞行為を疑われても仕方がない状況を妻に目撃されているため,妻の要求をのまざるをえませんでした。クライアントは,早急に離婚をしたい要望があり,また,訴訟に移行すると離婚が困難になるので,やむなく妻の要求を概ね認めて調停が成立しました。有責配偶者から離婚を請求する場合は,相手方に大幅に譲歩しなければ離婚は困難です。