この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
元従業員から解雇無効の訴訟を提起された会社からの相談です。元従業員は当時、勤務態度に問題があり、会社の再三の注意にもかかわらず改善が見られなかったため、会社はやむを得ずその従業員を実質的に解雇しました。もっとも、会社が退職に関する適切な手続をとった証拠が残っておらず不利な状況であったため、訴訟対応をご依頼いただくことになりました。
解決への流れ
元従業員の勤務態度が不良であったことを証明するため、会社担当者と元従業員が当時やり取りしていたメッセージや関係者の陳述書の提出を行い、解雇に合理的な理由があることを丁寧に主張しました。結果、元従業員の当時の賃金の約1か月分の解決金を会社が支払うことで和解が成立しました。仮に判決で敗訴していた場合は、2年間分以上の未払賃金の支払を命じられていたため、会社には大変満足いただきました。
日本の労働法制のもとでは、会社が元従業員から解雇無効を争われた場合、これを有効とするハードルが高いのが実情です。会社側としては、解雇を行う前に弁護士にご相談をいただき、適切な手続をとった証拠を残しておくことが望ましいといえます。もっとも、今回のケースのように、解雇に関する手続の証拠があまり残っていなくとも、勝訴的和解を成立させることもできます。紛争が生じた際には、すぐに弁護士にご相談いただくのが肝要です。