犯罪・刑事事件の解決事例
#人身事故 . #慰謝料・損害賠償 . #後遺障害等級認定

歩行者事故 | 自賠責 未加入 | 後遺障害8級認定 | 高次脳機能障害 | 2750万円で成立

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照屋 俊幸 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人テルト法律事務所
所在地沖縄県 那覇市

この事例の依頼主

40代 女性

相談前の状況

相談者が、横断歩道を歩いていたところ、貨物自動車が安全確認をしないまま進行し、そのまま衝突。頭部を強打し、外傷性くも膜下出血等の傷害を負われていました。加害者が自賠責保険に未加入だったため、治療費の支払いに非常に困っている様子でした。事故日から1か月後にご家族とともに相談にこられ、ご依頼となりました。

解決への流れ

加害者が自賠責保険と任意保険に加入しているケースでは、治療費等は保険で賄われます。しかし、本件では、どちらも入っていないというのが当初の情報でした。重い怪我を負いながら治療費は自分で工面しなければならないというとても大変な状況に追い込まれていました。そこで、すぐに加害者本人に交渉を申し入れ、ある程度の金銭を支払ってもらうことに成功しました。依頼者は、それで一息つくことができました。〈後遺障害の申請〉依頼者の怪我は、多岐にわたっていましたので、整形外科、脳神経外科、耳鼻科、高次脳機能障害の専門科を受診しました。交通事故外傷による脳へのダメージで、一度言われたことを覚えていない、味がわからない、臭いもはっきりしないという症状が残っていました。依頼者の症状を定期的に把握し、所定の検査を病院に要望する等して後遺障害認定のための準備作業を着実に行いました。その結果、高次脳機能障害について第9級、嗅覚の脱失について第12級の後遺障害が認められました(併合第8級)。〈保険会社との示談交渉〉当初任意保険はないとされていましたが、ご依頼を受けてから相当日時が経ってから、任意保険(共済)の対応が可能だということがわかりました。そこで、さっそく賠償交渉に入り、自賠責保険金相当分を除き、示談をまとめました。争点となったのは、休業損害、逸失利益でした。依頼者は、主婦でバイトを始めたばかりの方でしたが、どちらも基礎収入をどこに求めればよいのかということが問題になります。当方は、休業損害は家事従事者として日額5700円、逸失利益については賃金センサス(女学歴計)を採用して賠償額を提示しました。休業損害では休業日数をどれだけ計算に入れるかも大問題でした。相手方と交渉を重ね、2000万円で示談しました。この金額は、損害費目に不確定な要素があるなかでは、満足できる数字だと言えます。〈訴訟の提起〉任意保険(共済)と示談したのは、自賠責分を除いた損害についてです。そこで、今度は、自賠責に相当する分の損害について、訴訟を提起しました。相手方は、加害者(運転者)本人、勤務先の会社です。提訴してから10か月ほど経って、和解しました。判決を求めたら和解金額よりは増える見込みはあったのですが、和解で終わることを選択しました。それは、相手方が全額を支払えるだけの資力がないことが一番大きな原因です。ご依頼から最終的な解決に至るまで約3年半の年月が経ちました。

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照屋 俊幸 弁護士からのコメント

本件は事故後早い段階からご依頼があったものです。そのため、何から手を付け、どのような形で処理を進めていけばよいのか、事前の見通しを立てることができました。依頼者には、一つ終われば次にどのような手続が待っているのか、最終解決までの道のりを知ってもらうことができました。加害者本人と交渉して賠償額を一部でも支払ってもらう、後遺障害について納得のいく等級を獲得する、それをもとに、相手損保(共済)会社と示談交渉を行い納得できる金額で早期に示談する、自賠責相当分について裁判を起こし妥当な線で和解をする。これらは、どれも、依頼者の方の生活に目を配りつつ、しっかりとした賠償を獲得するための活動です。一つ一つの作業には、培ってきた実務経験の裏打ちがあります。何よりも、依頼者には、大事な時期に状況を丁寧に説明し、情報を共有しながら解決を目指してきました。当事務所が依頼者と関わる基本的姿勢と成果が出たものと考えています。