この事例の依頼主
20代 男性
相談前の状況
後続車が無理な追い越しを図ってきたことで接触されたと主張する依頼者から相談を受けて受任しました。相手方は逆に、依頼者が無理な追い越しを図ったが故に接触したと主張して、主張内容が真っ向から対立しており、目撃者もいない状況であった。
解決への流れ
証拠収集のため、交通事故現場調査を得意とする警察OBの行政書士を紹介して、事故現場調査を依頼し、依頼者の主張する内容のとおりの実況見分調書を作成し、弁護士において、この実況見分調書等を添えて、工学博士に鑑定意見を依頼しました。博士は、車両を見分し、塗料の剥離痕や角度等を詳細に鑑定し、依頼者の主張が正しいとの内容の鑑定意見書を作成してくれた。相手方も、保険会社の調査員作成の意見書を提出してきたが、裁判官は、当方提出の鑑定意見書の信用性を認め、当方の全面勝訴となった。
一対一で言い分が対立してしまい、目撃者もいないと、事故態様を証明しようがないと諦めてしまうことも少なくないと思います。しかし、私は、検事としてそのような事故においても、信号サイクル、ブレーキ痕、車両の凹損状況、塗料の剥離状況等、現場に残された物証から浮かび上がる真実を求めて捜査をしてきましたので、費用対効果は考えなければなりませんが、決して諦めることなく、まず現場を確認して物証を何度も何度も確認し、警察OBや鑑定人らと協働して真実発見に努めています。