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現役の女性自衛官が国賠提訴、同僚から「やりまくり過ぎなんだよ」…言葉のセクハラ対処されず
2023年02月27日 17時19分

同僚からのセクハラ被害を自衛隊内で申し立てた後、「必要な措置がとられず不利益を被った」として、現役の女性自衛官(航空自衛隊)が2月27日、国に約1168万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

原告側によると、「やりまくり過ぎなんだよ」などと言葉によるセクハラ被害を受け、自衛隊内で被害を申告したが、必要な対応はなされなかったうえ、基地内で被害が知られるなど二次被害を受けるようになったという。

原告の弁護団は「被害者配慮、環境調整、不利益防止などの措置がとられず不利益を被った」と厳しく批判した。

同僚からのセクハラ被害を自衛隊内で申し立てた後、「必要な措置がとられず不利益を被った」として、現役の女性自衛官(航空自衛隊)が2月27日、国に約1168万円の損害賠償などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

原告側によると、「やりまくり過ぎなんだよ」などと言葉によるセクハラ被害を受け、自衛隊内で被害を申告したが、必要な対応はなされなかったうえ、基地内で被害が知られるなど二次被害を受けるようになったという。

原告の弁護団は「被害者配慮、環境調整、不利益防止などの措置がとられず不利益を被った」と厳しく批判した。

●提訴に至る経緯

訴状などによれば、那覇基地に配属されていた原告は2013年、仕事相手だった年上の同僚男性隊員から言葉によるセクハラ被害を度々、受けるようになった。

訴状によれば、男性隊員は「Tシャツになればちゃんとおっぱいついてんだな」「やりまくってんじゃねーよ。A(注:当時の交際相手)とやりまくってるからって仕事をおろそかにするんじゃねーよ。Aとやりまくり過ぎなんだよ」などと発言したという。

原告は2016年、この男性隊員に対して損害賠償を求めて、那覇地裁に提訴。対する男性隊員側も、セクハラは事実無根であり、原告の提訴は違法だと反訴していた。

同地裁は2017年、両者の訴えをそれぞれ請求棄却したが、裁判所はセクハラの事実について、「原告の尻や胸等の身体部位に関する発言や性行為に関する発言等は職場における発言内容として不適切」「社会的に相当な程度を超えて原告の人格権を侵害する違法なセクハラ発言に当たると判断される可能性は十分にある」としていた。

一方で、男性隊員の責任については「公務員個人である被告が不法行為責任を負うことはない」として請求棄却した。その後、男性隊員側のみ控訴したが、棄却されている。

●「自衛隊側は事実を組織的に隠蔽」と批判

弁護団によれば、上記の判決を受け、原告側は「裁判所によって加害隊員のセクハラ行為が事実上認定された」として、加害者への処分及び被害者としての保護、被害回復のための配慮や不利益防止の措置を自衛隊に求め続けた。

しかし、自衛隊側は「事実を組織的に隠蔽し、セクハラ認定のため裁判所に内部資料を提出したとして原告に刑事処分を科そうとするなど、不利益を与え続けてきた」(弁護団)という。

自衛隊員のパワハラなどの訴訟に多数かかわってきた佐藤博文弁護士は「被害を受けてから10年。これ以上我慢できないという思いで提訴に至った。現職で自衛官が裁判をすることがどんなに大変なことか。今回の提訴は、被害に悩む現役自衛官にとって大きな勇気となるはずだ。ハラスメントに対する組織の責任を追及する裁判にしたい」と語った。

●原告コメント「今なお私を苦しめ続けています」

提訴後、原告は弁護団を通して次のようなコメントを発表した。

「自衛隊に対しては、これがセクハラであり、悪いのは加害者や対処して来なかった人たちだとして、キチンと行動ができる組織になって欲しいです。

上長からは今回の提訴について『過去のことを掘り返すな』と言われました。しかし私は、就業環境を徹底的に破壊され、訓戒も受け、昇任も同期で一番最後になってしまって、今でも睡眠障害やフラッシュバックに苦しめられています。このことは、私にとっては過去ではなく、今なお私を苦しめ続けています」

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